技術の進歩で「世界中の日常的な通信の大半は米国の手が届くところにある」(オバマ氏)とされる。超大国の情報活動の中で、個人の通話履歴収集は「氷山の一角」とみて間違いない。
米国を取り巻く治安状況は厳しく、テロの再発防止に情報収集は欠かせない。秋には中間選挙も控え、失政は命取りだ。
オバマ氏は演説の冒頭でこう述べた。「第二次大戦では暗号解読に成功し、日本の戦争計画に関する多くの情報を得た」。米国の歴史では情報活動が国を守り、市民の自由が保護されてきたと訴え、改革策への支持を求めた。(共同/SANKEI EXPRESS)
【米大統領演説の骨子】
・国家安全保障上不可欠な場合を除き、同盟・友好国首脳の通信を監視しない
・米国家安全保障局(NSA)が保管している個人通話履歴を将来的に非政府管理に移す
・履歴の照会には司法機関による事前許可が必要
・米秘密裁判所「外国情報監視裁判所」に独立の見解を示すための組織の新設が必要