≪同盟国首脳は盗聴せず、非政府管理へ 米が改革策≫
バラク・オバマ米大統領は1月17日、司法省で演説し、同盟国首脳に対する盗聴自粛などを柱とする情報収集活動の改革策を発表した。「国家安全保障上、不可欠な場合を除き、緊密な同盟国や友好国の首脳の通信は監視しない」と明言し、米中枢同時テロ後、肥大化した情報活動を外交関係への配慮やプライバシー保護の観点から見直す措置に踏み切った。
米国家安全保障局(NSA)が膨大な個人通話履歴を保管している現状について、将来的に非政府の管理に移す方針も公表。履歴の照会には司法機関による事前許可を取り付けるよう求め、収集対象を制限する措置を即時、発効させた。
オバマ氏は演説で、安保戦略とプライバシー保護を両立させ「米市民や世界中の人々の信頼」を回復しなければならないと表明。緊密な同盟国に対し「本当のパートナーとして扱うと信用してほしい。そのための命令を今、出した」と改革策への理解を求めた。
盗聴疑惑への批判に乗じる形で、米情報収集活動への不信感を示してきた中国やロシアについては「米国はプライバシーや個人の尊厳の保護で先頭に立ってきた」と反論。中露は異質の社会との認識を強調した。