去年の大みそかに大瀧詠一さんの訃報にふれたとき、悪い冗談としか思えませんでした。今でも頭の中を整理しきれていない僕がいます。
数々の名曲をうみだした大瀧さんについて僕が今更語るまでもありませんが、僕にとってはラジオ好きの、すてきな、ちょっと変わったおじさんでした。何よりいつも「励ましてくれる人」でした。ニッポン放送にいらっしゃったときお話をすると、マニアックなほどのラジオリスナーである大瀧さんは、必ず何か心に刺さる言葉をくれました。番組の方向性が間違っていないか、他局との戦略の違いなど、かなり深い分析を交えたアドバイスであり、僕がひそかに意図していることまで全てお見通しで、それが間違っているときは遠回しに、褒めるときは顔がにやけてしまいそうになるほどストレートな言葉をくださいました。
今週の「あなたとハッピー」では、大瀧さんが2010年の「黄金歌謡伝説」のコーナーにご出演いただいたときの放送を毎日ご紹介しています。ご自身のつくった曲について正面から語るとき、ものすごく照れていた大瀧さんの様子が伝わってきます。その語り口はスマートで、かつ目の前の僕が笑うと「あ、うけた!」と子供のように喜ぶ大瀧さんがいます。