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新球習得で進化した上原投手 大屋博行 (1/4ページ)

2014.1.8 17:30

ワールドシリーズ優勝のトロフィーを手にするレッドソックスの上原浩治投手=2013年10月30日、米マサチューセッツ州ボストン(リョウ薮下撮影)

ワールドシリーズ優勝のトロフィーを手にするレッドソックスの上原浩治投手=2013年10月30日、米マサチューセッツ州ボストン(リョウ薮下撮影)【拡大】

  • 米マサチューセッツ州ボストン
  • 【メジャースカウトの春夏秋冬】恩師であるローイ・カーピンジャー氏(左)と大屋博行氏(アトランタ・ブレーブスの国際スカウト駐日担当)=1月18日、米国(大屋博行さん提供)

 【メジャースカウトの春夏秋冬】

 米大リーグ、レッドソックスの6年ぶりのワールドシリーズ制覇。胴上げ投手として歓喜の真ん中にいたのは、上原浩治投手だった。大学卒業後に一時はメジャー挑戦を志望した右腕が15年後にかなえたドリームでもあった。

 1998年、大阪体育大時代の上原投手はまさに時の人だった。大学3年時に、強力打線を誇るキューバ代表の国際大会での連勝を151で止めるなど、当時は横浜高校の松坂大輔投手と並ぶアマチュア球界ナンバーワン投手。本人のメジャー志向が強かったこともあり、日米の球団がこぞって争奪戦を繰り広げた。

 この年は、私もダイヤモンドバックスのスカウトに就任したばかり。拠点にしている大阪の選手ということもあり、獲得調査に乗り出した。しかし、争奪戦は熾烈(しれつ)を極め、日米の有力チームによる「囲い込み」に近い状況にあり、私は接触することすらできず、悔しい思いをしたのを覚えている。

 上原投手は最終的に巨人を逆指名した。入団1年目から20勝を挙げる活躍で新人王だけでなく、日本球界の投手にとって最大の栄誉でもある沢村賞にも選出された。

限界に見えた時期

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