≪SANKEI EXPRESS執筆陣の「一押し」≫
ニュージーランドの無名の16歳(当時)のシンガー・ソングライターが、デビュー曲「ロイヤルズ」で全米シングルチャート9週連続第1位に輝いた。名前はロード。
「貴族的な名前を探し、少し女性的にするために独自のエッジを加えた造語なの」
ドラムとシーケンサー(打ち込み)中心のごくシンプルな演奏をバックにじっくり歌うユニークな曲調に加え、詩人である母親の影響で10歳からレイモンド・カーヴァーを読みはじめたというだけに歌詞も秀逸。消費文化に溺れ、パーティーに明け暮れるセレブリティーに疑問を投げ掛けた「ロイヤルズ」をはじめ、気品あふれる言葉を歌詞に並べて自己に誇りを持つことを掲げる。
「歌詞には妙な社会情勢や、私の年齢でいることの大変さや孤独、真の友人と偽の友人についての私の考えが入っている」
第56回グラミー賞で年間最優秀楽曲など計4部門にノミネート、アルバム『ピュア・ヒロイン』(日本盤は2月19日発売)も好評だ。主義主張のはっきりした姿勢から、女子を中心にファンが急増中。2014年はさらに旋風を巻き起こすはず。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)