南米ウルグアイの議会上院が12月10日、麻薬の一種であるマリフアナ(大麻)の栽培や販売を合法化する法案を可決した。推進役のホセ・ムヒカ大統領(78)が近く署名し来年4月にも施行される。米国の2州で昨年、嗜好(しこう)品としての大麻を合法化する州法が成立したが、国として合法化するのは世界初だ。麻薬の密売価格を暴落させ、南米にはびこる麻薬マフィアに壊滅的な打撃を与えるのが狙いという。保守的なカトリック教徒が多い国内からは強い反発の声が上がっているが、南米諸国はどこも麻薬犯罪に頭を抱えており、追随の動きが広がる可能性もある。
大統領が旗振り
「組織犯罪を行い、治安を脅かし、青少年らを犯罪行為に誘う麻薬密売組織と戦うことができるようになる」
上院議員のロベルト・コンテ氏は10日、米CNNに合法化の意義をこう強調した。