話して、指揮して
「開場の時は私が立ってお客さまを迎えます。今日は年配の方が多い、子供連れの母子がどれぐらいいるか、分かります。それでしゃべる内容を変えます。演奏家の名前を必ず挙げ、『この中で3億円以上のバイオリンを使っている人は?』などと質問します。曲間の話が終わってすぐ指揮するのは難しいのです。息も絶え絶えになってしまっていますから(笑い)」
人を楽しませようと気持ちが観客に伝わるから、楽しい音楽会が成立するのだろう。しかし、昔からサービス精神にあふれていたわけではないという。
「母親は厳格でしたから、むしろ恥ずかしがり屋の子供でした。作曲は1人でするものですが、1人でいるのは嫌なのです。林光先生について、副指揮をして歌の世界を知りました。歌手は舞台の上ではサービス精神いっぱいです。それと黒柳徹子さんと出会って、こんなにしゃべれるようになりました(笑い)」
コンサートは4歳の子供から入場できる。たくさんの子供たちに来てほしいという。