【安倍政権考】
英国秘密諜報部「MI6」のスパイ、ジェームズ・ボンドの活躍を描く人気映画シリーズで、2008年に公開された「007 慰めの報酬」は、ボンドが南米ボリビアを舞台に水資源の独占による世界支配をたくらむ秘密組織の野望を打ち砕くストリーだった。ボリビアで起こった水道民営化とコチャバンバ水紛争という実際の事件に基づいおり、「水の危機」という世界的な課題も反映されていた。
事実上の野放し状態
人ごとではない。地球上で水の争奪戦が繰り広げられる中、近い将来、日本とて“天然の恵み”と思い込んできた水が払底する懸念はぬぐえないのである。
中国をはじめとする外国資本による日本国内での森林買収が着々と進んでいる。狙いは地下水などの水資源の確保にあるとみられている。だが、この外資による水資源買収は事実上野放し状態であり、国と地方自治体が主体となって地下水を河川水、湖沼水などの地表水とともに管理する体制、ルールを作ることは「待ったなし」なのだ。しかし、どうも永田町の一部のセンセイたちは危機感が足りないようである。