「大河ドラマ『平清盛』で共演したとき、何だこの人は、と刺激を受けた。真摯に演技に向き合う姿勢がすてき。私もそうありたいです」
想像しがたい時代
一方、成海が演じる巴御前は、鉈切り丸を憎む役。最愛の人・木曽義仲を鉈切り丸に斬り殺され、愛息の命を守るため鉈切り丸の妻となる。「子供を産んだことはないけれど、敵の妻になってまで守らないといけない存在がいることを想像したり、あの時代に夫を殺されることがどんなことか、現代の私には計り知れないところが、難しいと感じました」
巴御前は鉈切り丸に体は許しても、心までは許さない。鉈切り丸は思うままにならない巴を押し倒し、蹴り転がす。「激しく、とてもエネルギーを使うお芝居です」。体当たり続きの毎日で消耗するとは言うが「毎日背筋を曲げて演じ続け、ぼろぼろな身体であるはずの森田さんが何も言わない。そんな姿を見ると、私は何も言えないですよ」。