1900(明治33)年に開湯し、やがて温泉地として旅館が立ち並び始めました。昭和の初期には世界で2カ所しかないモール温泉の一つといわれていましたが、その後、各地で発見され認知度も高まっていったようです。
北海道は訪れる観光客も多く、自然・文化・産業など見どころもたくさんあります。その中から「北海道ならではの価値を掘り起こし、観光などへ活用することによって、それらの価値をさらに高め、将来へつなげていくこと」を目的に選定されるのが「北海道遺産」です。現在52件が登録され、モール温泉も北国らしい希少な温泉資源として2004(平成16)年に選定を受けました。
この素晴らしい財産を未来につなぐためにと動き出したのが、十勝川温泉旅館協同組合です。PRの一環として、温泉の肌効果をお土産ものにと美容マスクを発売。それがきっかけとなり、化粧品メーカーと、地元出身で子供のころから温泉効果を研究したかったという、先生の在職する大学機関との産業連携共同研究が始まりました。道内他の地域や本州の各地に比べ、十勝川モール温泉が、培養皮膚に対し保水性を高めるヒアルロン酸産生効果があることがわかり、現在も北海道遺産協議会の助成を受け研究は続けられています。