【私のおしゃれ学】
11月13日に東京・新国立劇場で幕が開く舞台「ピグマリオン」に、イライザという花売り娘の役で主演する。オードリー・ヘプバーン主演で大ヒットした映画「マイ・フェア・レディ」の原作となったジョージ・バーナード・ショーの戯曲で、下町娘が淑女へと大変身していく姿を見せつける。
「ギャップのある役はあまりやったことがなくて、とても面白いです」。なまりが激しいガラガラとした声を出す前半は「のどが壊れるんじゃないか」と思うほど。そんな女性がどれだけ“変身”するかが、映画と同様にひとつの見どころだ。
そして、イライザが舞踏会で完璧に振る舞い喝采を浴びる場面の裏側にある、彼女の複雑な心理にも注目してほしいという。「話し方も立ち居振る舞いも美しい。でも、飾りを全部美しいものにしてしまったせいで、本当の自分はどこにいってしまったんだろうと悩んでいるイライザがいるんです」。そんなイライザから、虚飾にとらわれないで他人を見たり、自分を表現する大切さを感じ取る。楽しさの中に深いメッセージが浮かぶ舞台になりそうだ。