嶋選手は震災直後のスピーチで「誰かのために戦う人間は強い」とも話していた。被災者のことを思い、被災地の人々に励まされながら戦い続けた結果の優勝である。
震災の年の7月、ドイツで行われたサッカーの女子ワールドカップで、日本代表「なでしこジャパン」は被災地のビデオを見て涙を流しながら優勝した。阪神大震災が起きた1995年には、オリックスが「がんばろう神戸」を合言葉に、イチロー選手らの活躍でリーグ優勝した。
2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地となった東京は招致活動で、震災で知った「スポーツの力」の確認と発信を訴えてきた。最終プレゼンテーションに登壇した宮城県気仙沼市出身のパラリンピック代表選手、佐藤真海(まみ)さんは「スポーツの力」を、「新たな夢と笑顔を育む力、希望をもたらす力。人々を結びつける力」と表現した。
楽天の優勝はスピーチの言葉を、スポーツの力を証明した。(EX編集部/撮影:春名中、中鉢久美子、中井誠、共同/SANKEI EXPRESS)