その当時は、28歳になった私が五輪を目指しているとは想像もつきませんでした。ただ、スケートをあきらめたくないという気持ちがあったから、病気に打ち勝つことができたと思っています。
そして、何より母という存在があったから。同じように病気と闘っている人たちには、夢を持ってほしいですし、そのことが生きる希望になることを忘れないでほしいです。
もちろん、成功談を押しつけるつもりは全くありません。私自身もどん底のときには、病気を克服した人の話を聞かされても受け入れられなかったでしょう。それでも、私の体験がいつの日か、立ち直るきっかけになってもらえれば幸いと思っています。
いまは競技人生の集大成としてソチ五輪を目指していますが、残りの人生でたくさんの時間があります。その中で、少しでも病気と闘っている人たちをサポートしていく活動ができないかと考えています。(SANKEI EXPRESS)