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尊大で粗暴な「大国」の振る舞い 米中戦略・経済対話で見えた危機 (2/5ページ)

2013.7.17 10:42

米ドル発行に依存する中国の資金供給=2011年1月~2013年4月(データ:CEIC、FRB)

米ドル発行に依存する中国の資金供給=2011年1月~2013年4月(データ:CEIC、FRB)【拡大】

 本来、金融政策は自国のために行われるもので、米国の失業率をうんぬんしてまで、「まだ続けろ」と迫るのはいかにも尊大で粗暴な「大国」中国らしい振る舞いだ。米側のバイデン副大統領やルー財務長官、バーナンキFRB議長らをあきれさせただろうが、それほど中国側にはQEを縮小、さらに打ち切られては困る、切羽詰まった事情があるとみてよい。その一端を示したのが、「影響は米国のみにとどまらない」という発言である。

 ここで、グラフを見ていただこう。2008年9月の「リーマン・ショック」後、08年8月に比べてどのくらい米FRBがドル資金供給残高(マネタリーベース)増やしたか、また中国人民銀行が人民元資金の供給量を反映する資産総額をドル換算で増やしたか、その人民銀行資産のうちドルを中心とする外国為替資産をドル換算でどのくらい増やしたかを示している。

 一目瞭然、人民銀行は米QEに合わせて資産を増やす、つまり人民元資金を発行し、国内の金融機関や金融市場に流し込んでいる。そのやり方はいたってシンプルである。まず、人民銀行は流入するドルなど外国為替資金をことごとく買い上げて人民元の対ドル交換レートが高騰するのを抑える。その増える外為資産の範囲内で人民元を発行する。

中国はドル資金の流入増がないと金融政策で大きく制約を受ける

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