学生から金融大国へ USIC通信

「投資女子」の急増に驚き 若者が投資に熱中するのは「靴磨きの少年」か? (1/5ページ)

 「学生投資連合USIC」に所属する各大学サークルがリレー形式でお送りする本連載も、開始からはや4カ月が経過した。学生が様々な切り口で投資に興味を持ち、主体的に金融の勉強をしようという熱い思いがひしひしと伝わってくる。サークルそれぞれが工夫しながら活動を継続しているが、コロナ禍という様々な制限を伴うなかで苦しい状況がなお続いている。

 一方で、コロナは投資というものにスポットライトを当てた側面もある。「老後2000万円問題」が浸透し、金融リテラシーや資産形成の重要性が高まっている。そのなかコロナ禍の歴史的金融緩和によって、米株式市場各指数の「史上最高値更新」、日本の株式市場各指数も「バブル期以来の高値更新」など、連日市場関連のニュースが報道され、コロナ禍もありお金と時間に余裕のできた大学生を刺激した。その結果として、USICの加盟サークル・加盟員数が増加している。更に驚くべき特徴は、ほぼ男子で占められたサークルに、投資女子が急増しているのだ。

 学生が投資というと、「若い時からそんなことに興味をもつなんて立派」という肯定的な意見もあれば、「若い時から金儲けに走るなんて…」という否定的な意見の2つに分かれる。特に最近顕著に増えた意見は「若者が投資に熱中しているのは靴磨きの少年ではないか」というものだ。つまり、靴磨きの少年のような、お金もなく株の知識もないような人が多く関心を持ち始めたのなら、相場は天井であり、暴落の予兆だという有名な逸話だ。正に昨今の投資サークルの動きをみれば、否定できないだろう。

 ただ、投資に熱中する若者が増えたという事実だけではなく、なぜ投資に熱中するのか掘り下げる必要がある。そこで、今回はインタビューやアンケートを通して、若者が投資をする理由と意義について考えてみたい。

新入生にインタビュー

 学生の生の声を聴くべく、筆者(八田潤一郎)が今年大学デビューしたばかりの新入生2人にインタビューした。今回協力してくれたのは慶應大学・文学部1年の小川くんと、明治大学・法学部1年の清水さんだ。

Q.投資に興味をもったきっかけは?

小川:元々両親が株主優待を貰っていたのを見ていたので身近でした。FX関連の動画をみて自分にも始められるかなと…。金融を学ぶことは将来の選択肢を増やすことにも繋がると思いました。

清水:私も両親が配当や優待を貰っていたのを見ていたので身近でした。コロナショックの暴落を耳にし、始めるきっかけになりました。元々仕事や病気などで将来の資産形成に不安があったことも根底にあります。

Q.将来の資産形成に言及されたが、将来へ向けて始めた?

清水・小川:現時点では、資金もないので将来のためというよりも、勉強目的ですね。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus