ありがたいことに、子どもたちの興味は尽きないからです。場所や場面に限定されることもありません。お散歩していても、食事をしていても、お風呂や歯磨き中にも、さまざまな「なぜ?」が浮かびます。そんなときに親としてできることは、できる限り子供の気持ちになって、先頭に立って探求しようとする姿勢を忘れないことです。
例えば、歩きたての子どもが水たまりでパシャパシャしたい時に止めますか?
私は、息子たちが水たまりに向かうと、まず直感的に「止めたい」と感じます。特に東京は水たまりが衛生的にキレイな保証はないですし、濡れたら帰宅後の処理が大変。風邪もひきやすくなるし…と、本当のところ、頭に浮かぶ“大人の事情”は底をつきません。
また、子どもが公園でミミズに触ろうとしていたらどうしますか?
そもそも、生まれつき虫が嫌いな子どもっているのでしょうか。私はNOだと思います。現代っ子、特に東京の子は虫を触れない子がとても多い! やはりそれは、大人がつい「虫嫌い」の雰囲気を出してしまっているからではないでしょうか。もしくは、「ヌメヌメのカエルやミミズを触った手で、このあと色々触る」と想像して、なんとなーく「触ることを避けさせたい」と思っている親の気持ちが子どもに伝わっているかもしれません。そうすると、特段、「虫嫌いになれ」と言葉で指示しているわけではないのに、親の姿勢が伝わり、虫は触れないもの、ただそこらへんに居るもの、という風景が日常になってしまいます。
親としてはそうした「不衛生だから」「体調を崩すから」といった心配の気持ちをぐっと堪え、頑張って、勇気を振り絞りましょう。子どもが清潔に遊ぶのを諦めて、触って観察してみましょう! ママもパパも泥んこになりましょう。
「見るだけ」を当たり前にしない姿勢
毎日の忙しい生活の中で、すべての「なぜ」に答えることはできないかもしれません。毎日毎日泥んこになるのも、親にとって不都合というのも現実です。ただ、大人自身も学ぶ姿勢を忘れずにいようとすることが大事かもしれません。子どもにとって、日常の「学びの種」には触れずに見るだけ…ということを当たり前の風景として脳に処理させないように意識するだけで、「良い種」がいつの間にか育ってくれるはずですよ。
【グローバルリーダーの育て方】は、100%英語環境の保育園やアフタースクールを経営する女性社長・龍芳乃さんが、子供が世界で通じる「人間力」「国際競争力」をどう養っていくべきかを説く連載コラムです。アーカイブはこちら