グローバルリーダーの育て方

オンライン授業で実感した意外な効用 親の救いにはならないけれど… (3/3ページ)

龍芳乃
龍芳乃

 息子が実際にオンライン授業を受けた母=私

 冒頭でもお話ししたように、私は2人の男の子の母として、オンライン授業の有効性に疑問を抱いていました。3歳の長男は、すぐ何かと戦い始めますし、一日中話しっぱなし(相手が必要)ですし、一人ではたった10秒もじっとしていられやしません。10カ月の次男もちょうど動き始めたところで目が離せない…。オンライン授業をしても“どうせ” 子どもの相手をしなければならない、私の時間が増えるわけではない、仕事なんてできやしないと。

 実際に長男がオンライン授業をしてみて、「考えが変わった」…というほど優雅で簡単なことではありませんが、考え方を変えるように努めています(笑)

 決して親を「解放」してはくれないけれど…

 結論です。多くの親にとって、オンライン授業が救世主になることはないと思います。やはり保育所に預けるのとは異なります。課題に取り組んでいるときはお子さんのサポートが必要ですし、わからないことあると、質問を浴びせてきます(「ああ…大変」が本音)。子どもが何歳であっても、親の愛情や注目を必要とするのは変わりません。オンライン授業のおかげで家事や仕事のための私の時間が膨大に浮くわけではないです。

 でも、新型コロナウイルスが広がる今、子どもも親も家になければいけないことは変わらない。状況を変えられないならば、捉え方を変えて、楽しむしかない! と意識高いことを言ってみたり…。

 私は、息子と一緒にオンライン授業を受ける中で、息子が新しい言葉を発したり、意外と几帳面に塗り絵をする一面を見ることができたり、「こだわりポイントが独特だな」と笑えたり。また、一つ意外な発見だったのが、先生の顔や声を聞くことが想像以上に子どもにとっては喜びとなっていることです。

 「オンライン授業を受けている自分の子どもが英語を話していて、こんなに上手なんだとビックリしました」と喜びの声を届けてくださった親御さんもいました。GGISにとっては、オンライン授業の意外な効用を見つけた思いでした。

 大きな声では言えませんが、GGISがここまで大々的にオンライン授業を取り入れたのは初めてです。先生も2月頃から準備を始め、現在も親御さんのフィードバックや感想を頂きながら試行錯誤しながら作り上げています。

  • 「楽しくなければならない」
  • 「離れていても子どもたちと先生がやりとりを楽しめなければならない」
  • 「“缶詰”になってやるより、ゆったりと自分に合う環境でなければならない」

 これらはGGISが現段階で得たオンライン授業の3つの基本理念であり、教訓でもあります。

龍芳乃(りゅう・よしの)
龍芳乃(りゅう・よしの) 株式会社G&G 代表取締役
日・英・中のトライリンガル。大学卒業後、PR会社、外資系コンサルティング会社を経て2013年に起業。世界で通じる「人間力」の基礎を育む「GG International School」を経営。「Art to Science」をベースに0歳から小学校高学年まで学べるプログラムを用意し、人格形成の根幹となる揺るぎない自信を育んでいる。2児の母。

【グローバルリーダーの育て方】は、100%英語環境の保育園やアフタースクールを経営する女性社長・龍芳乃さんが、子供が世界で通じる「人間力」「国際競争力」をどう養っていくべきかを説く連載コラムです。アーカイブはこちら

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