いっき見やいっき読みも今のうち
さらに、大きく空いた時間を普段は長い時間を充てられないことに使えるのであれば、マンガやアニメ、科学番組などの“長編”に時間を使うことも定石だろう。
連続ものを何種類か用意しておくことができれば、1日数時間、親も手を休めることができるだろうし、鑑賞後の話題にもできる。加えて、学校から読書感想文が課題として出されたりすれば、一石二鳥でもある。
定番としては、歴史や伝記のマンガのシリーズ、「まんがで読破」、マンガでわかる○○学、○○事典、○○図鑑、といった学習マンガを読むもよし、この機に動画のサブスクリプション・サービスに加入し、『ナショナルジオグラフィック』や『アニマルプラネット』の番組の中から最近の学習単元に合うものをリストアップしておくとか、『白熱授業』を片っ端から、というのもありだろう。
時節柄、出版各社から無料公開されている学習マンガのデジタル・コンテンツもあれば、「学習 マンガ 0円」で検索すればヒットする作品も多数ある。
中・高受験を目的に塾に通っている場合、読書や動画にじっくりと時間を掛けられる時期は、じつは小5と中2のゴールデンウィークまでである。この時期に“貯金”をつくっておけるか、教養に触れずに過ごしてしまうかでは、今後の学習に関心を持って取り組めるかどうかという点も含めて、後々に与える影響は小さくない。
参考までだが、筆者の割と最近のマイブームはTVアニメ『はたらく細胞!!』であった(1年ほど前に一挙放送を録りためてイッキ見した)。原作はマンガで、体内の細胞を擬人化したキャラクターが登場する。ちなみにこの作品は、Yahoo!の「学習まんがランキング」で6位にランクされている。さらに、2018年2月からは姉妹作品として『はたらく細菌』も刊行されている(著者は異なるが『はたらく細胞!!』と同じ監修者である)。
備えあれば患なし。もしもの時に備えて、対策と作品の按出をしておいてはどうだろうか。
【受験指導の現場から】は、吉田克己さんが日々受験を志す生徒に接している現場実感に照らし、教育に関する様々な情報をお届けする連載コラムです。受験生予備軍をもつ家庭を応援します。更新は原則第1水曜日。アーカイブはこちら