「希少性」でやる気に結びつける
GGISでは、おもちゃも全部が同じように並んでいるわけではありません。たまにしか遊べない“ランクが高いおもちゃ”というのを意図的に用意しています。現在、その王座に君臨するのがドミノです。子どもたちに大人気のドミノですが、普段遊べないから、より神々しく見える。遊べると嬉しいし、学ぶモチベーションや意欲になるようです。普段はできない・やらない、こうした非日常性も「希少性」といえます。
希少性は、環境を変えることによっても演出できます。例えば、普段は大人から「書いてはいけない」と言われている鏡に数字の練習をさせてみます。いつもはワークブックやボードで練習しているのに、「鏡に書けるの!?」と目をキラキラさせます。数字の「4」を書いているという意味では紙の上と同じですが、普段と違う環境に、とてつもない意欲と集中力を発揮してくれます。
こうした工夫は家庭でも取り入れられそうですね。普段、洗面所で歯磨きをしているならば、玄関での歯磨きを提案してみましょう。賢い子は「なんで?」という質問を返すかもしれません。この議論に持ち込めれば、こちらの“勝ち”です。「歯磨きをしなさい!」から、「どこで歯磨きをすべきか」の議論に変われば、ママ・パパも少し楽しくなるのではないでしょうか。
「褒める」は年齢別に使い分け
GGISでは、年齢によってモチベーションの上げ方は異なります。ベビー(乳幼児)に対しては、とにかく褒めまくります。「靴が履けたの! お祝いしよう!」「ご飯、全部食べられたの! スーパーヒーローより強くなっちゃうね!」などなど褒めちぎります。
褒めて育てるのは効果的ですが、3歳ごろになってくると褒めているこちらの意図を理解するようになります。小学生になると、先生に褒められることだけでは満足いかず、競争で同級生に勝つことや自分や自分のアイデアが受け入れられたことに、より価値を置くようになります。
子どもは希少性をしっかり測っています。あとはバランスとの戦いです。普段から褒めていると、“褒められ慣れ”してしまいます。そういうときは、少し手法を変えて、試練を与える、競争にしてみる…と切り口を変えてみてくださいね。
子どもとの「競争」を楽しむ
これまでお話ししたように、切り口を変え、モチベーションを保ち、一つのことを学びぬくことが長期的には「やり抜く力」につながると考えています。これを小さい頃から繰り返すことで、やり抜く力が養われます。
子どもは正直なので、つまらないものはつまらないと言ってくれます。飽きたら、言うことを聞いてくれません。そのため、先生もクリエイティブであることが求められます。飽きやすい子どもと一緒に考えながら、楽しく学び続ける。楽しく教え続ける。大変ですが、「完成形がないからこそやめられない」と先生たちは口を揃えて言います。
家庭でも同じ。私もひとりの母として、我が子との「クリエイティブ競争だ!」と思えば、今夜を楽しく乗り越えられそうです(笑)
【グローバルリーダーの育て方】は、100%英語環境の保育園やアフタースクールを経営する女性社長・龍芳乃さんが、子供が世界で通じる「人間力」「国際競争力」をどう養っていくべきかを説く連載コラムです。アーカイブはこちら