お金で損する人・得する人

生命保険は保険料が決まるメカニズムを知れば見直しのコツがわかる (3/4ページ)

高橋成壽
高橋成壽

生活水準を維持したまま生命保険の掛け金を下げる方法

 例えば、30代や40代で子供がいる場合、生命保険に加入する人は多いでしょう。30代や40代は子供の学校教育費に加えて部活や習い事、塾や予備校の支払いのほか、住宅ローンの支払い、場合によっては親の介護にお金がかかることもあります。生命保険を安くしたいというニーズがありますが、一方で、大黒柱がいま倒れると家庭が経済的に困窮するため、高額の生命保険に加入したいというニーズもあります。

 保険料を安く、なおかつ万が一の際に家族が現在の生活水準を落とすことなく生活できるような生命保険の加入方法はあるのでしょうか。

 このような意向がある場合、筆者がおすすめするのは、保険期間を短くして、代わりに保険金額を高額にするという方法です。具体的には、60歳、65歳、70歳で契約が続くような生命保険の契約期間を15年、20年など短く設定します。近年は生命保険といえば、契約者の死亡時に年金のように毎月保険金を支払うタイプの「収入保障保険」という商品に加入する人が増えています。収入保障保険は契約期間を短くすると、保険金額が下がるというデメリットが生じます。ですから、保険金額を上げる必要があります。例えば保険金額を月額10万円から月額15万円にするなどの工夫をすることで、保険料を下げつつ、保険金額を確保することができるのです。(※保険料は各社で異なりますので、ご興味のある人は保険会社や保険代理店に試算を依頼すると良いでしょう)

 ただし、保険料を安くするためには割り切りも必要です。それは、保険契約期間を子供が成人するまでに限定することです。一般的には定年までの生活保障として生命保険に加入することが多いのですが、配偶者が働けるのであれば、あるいは、子供が成人すれば生命保険の必要性は薄れます。子供は高校を卒業すれば働くことや奨学金を借りることもできます。2022年に成人年齢が18歳に引き下げられますので、それを見越して、子供の高校卒業まで、あるいは現在の成人年齢である20歳になるまで…など、期限を決めて生命保険に加入すると、安く有利に加入することができるのです。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus