EMSで電力消費を「見える化」
新地町がこの事業で目指しているのは、地元で電力を作り、蓄え、賢く消費する「スマートコミュニティ」の構築だ。
この事業には、経済産業省の「スマートコミュニティ導入促進事業」が活用されているが、全国各地でスマートコミュニティ事業の設計・調査などの実績を持ち、今回の復興事業にも参画する日本環境技研の安達健一取締役環境計画部長は「スマートコミュニティの取り組みは、規模が大きい都市部では成立しやすいのですが、地方ではなかなか難しいのが現実です。新地町はそれを実現できた。これは町が主導的にかかわってきたからです。これはモデルケースになる事例です」と新地町の取り組みを評価する。
電力会社とは別に独自の発電施設を持つことで、災害時に電力会社からの電力供給が途絶えても安定的な電力を確保できる。二酸化炭素の排出量が少ない天然ガスをコージェネシステムでさらに効率よく利用し、環境負荷がかからない電力を供給する。
そして、最新のITもスマートコミュニティを実現する上で重要な役割を担う。それがエネルギーマネジメントシステム(EMS)だ。
「電力の利用状況を『見える化』します。その情報を分析し、効率的で最適な形での電力利用を促すのです」と、この事業でEMSの構築に取り組むNEC未来都市づくり推進本部の内藤政宏マネジャーは語る。EMSとはどんなシステムなのだろうか。