一円玉は消えてしまうか…電子マネーに押され出番激減 (1/2ページ)

1円玉=15日(酒巻俊介撮影)
1円玉=15日(酒巻俊介撮影)【拡大】

 一円硬貨の流通量が減っている。電子マネーなどで代金を支払うキャッシュレス化が進み、政府が流通用硬貨の製造を中止しているためだ。「道端に落ちていても拾わない」。買い物客らからは、そのような声も聞かれる。消費税が8%から10%へ引き上げられる来年10月以降は、「ますます使われなくなる」と専門家は予測する。一円硬貨はこのまま消えてしまうか。(吉国在)

一円硬貨は邪魔者?

 「拾う労力はお金に換算すれば5円かかるらしい」

 大阪市中央区のコーヒーチェーン「スターバックス」で電子マネーを使って商品を購入した堺市北区の主婦(46)は、落ちた1円硬貨を拾わない理由をこう説明。普段の生活でほぼ現金を使わないという大阪市中央区の会社員の男性(50)も「小銭で財布がかさばるとイライラするし、電子マネーを使えば、ポイントもたまる」と“キャッシュレス決済”の利点を強調する。

 日本銀行によると、平成29年の一円硬貨の流通量は378億枚。15年連続で減っており、ピークだった14年の410億枚と比べ、10%近く減少している。15年間で32億円分が消えた計算となる。劣化して使えなくなったり、需要がなくなったりすると、民間の金融機関から日銀へと回収されるのだという。

 他の硬貨については、10円や5円の小銭の流通量が減る傾向にある一方、100円や500円硬貨の流通量は増えている。

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