近畿地方を中心に大きな被害をもたらした台風21号。関西の空の玄関口、関西国際空港も滑走路や空港施設が浸水し、タンカーが連絡橋に衝突する前代未聞の事態に見舞われた。復旧のメドは立っておらず、航空便への影響が長期化すれば、好調で推移する関西への外国人客の減少につながる恐れがある。
関空を運営する関西エアポートによると、平成29年度の総旅客数は2880万人と過去最高を更新。中国や韓国、東南アジア圏を中心とした訪日客が牽引(けんいん)。30年度は開港以来初めて3千万人を突破すると期待されていた。被害の全貌は明らかになっておらず、関西エアの関係者は「こんなことは初めて。信じられない」と呆然(ぼうぜん)。関空を拠点とし、訪日客の利用も多い格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションの担当者は「被害の正確な状況が分からないため、今後の運航への影響も見通せない」と話した。