【IT風土記】岐阜発 目指すは「お金の地産地消」 飛騨信組が取り組む電子地域通貨「さるぼぼコイン」 (1/3ページ)

 岐阜県高山市の飛騨信用組合が、昨年12月から電子地域通貨「さるぼぼコイン」の運用をスタートさせた。店頭に掲示した二次元コードに専用アプリを起動したスマートフォンをかざすだけで簡単に決済ができるシステムだ。二次元コード決済の電子地域通貨の運用は金融機関として初めての取り組みだという。利用できるのは、高山市・飛騨市・白川村という外国人観光客にも人気のエリア。地元のお金を地元で消費する「お金の地産地消」による地元経済の活性化を目指している。

電子地域通貨「さるぼぼコイン」の運用をスタートさせた飛騨信用組合

電子地域通貨「さるぼぼコイン」の運用をスタートさせた飛騨信用組合

 二次元コードで簡単決済

 「地元の100事業者が参加してスタートしましたが、今年4月時点で約670の事業者から加盟の申し込みがあり、作業が追い付かない状態です。現在は約450事業者で利用できるようになっています」。こう語るのは飛騨信組ブランド戦略部の水口昌己部長だ。

「お金の地産地消」による地元経済の活性化を目指している飛騨信組ブランド戦略部の水口昌己部長

「お金の地産地消」による地元経済の活性化を目指している飛騨信組ブランド戦略部の水口昌己部長

 「さるぼぼコイン」は専用二次元コードを店内に掲示し、アプリを立ち上げたスマートフォンで二次元コードを読み込み、金額をスマホに打ち込むだけで決済が完了する。東京のITベンチャー、アイリッジが開発した「MoneyEasy(マネーイージー)」という電子地域通貨プラットホームを採用したシステムで、クレジットカードや電子マネー対応の専用読み取り端末を必要とせず、導入コストをかけずにキャッシュレス決済が実現できる。

専用二次元コードを店内に掲示し、アプリを立ち上げたスマートフォンで二次元コードを読み込み、金額をスマホに打ち込むだけで決済が完了する「さるぼぼコイン」

専用二次元コードを店内に掲示し、アプリを立ち上げたスマートフォンで二次元コードを読み込み、金額をスマホに打ち込むだけで決済が完了する「さるぼぼコイン」

「さるぼぼコイン」導入の背景