広瀬総務局次長は「観光と防災は市の喫緊の課題。防災面では過去に高潮の被害を受けている。また、観光でも一昨年のデータで高松・さぬきエリアが全国で人気上昇エリアの1位になった。市が抱える課題の中で、見えやすいところから対応することにした」と語り、今後、介護や福祉など幅広い市政における利活用をする考えを明らかにした。
データ利活用のカギを握るのは
一方、「30年後の高松のために今われわれができること、今すべきこと」をテーマにしたパネルディスカッションでは、高松市が取り組むスマートシティを実現する上での課題や期待が浮き彫りになった。
パネルディスカッションでは、香川大学工学部の八重樫理人(りひと)准教授をコーディネーターに大西市長、高松大学・高松短期大学の佃昌道学長、四国電力系情報通信会社、STNetの田口泰士取締役らがパネリストとして参加。大西市長は「これまで産学民官の連携はそれぞれの持ち寄りで『足し算』的なものでしかなかったが、30年後、人口が減少する中で、活力を維持するには共通の目的を持って、連携を密にする『掛け算』的な形で何かを生み出していく必要がある」と指摘。産学民官の連携の強化やファイウェアを活用するデータ利活用人材の育成、新たな価値やビジネスを生み出そうとする活力の必要性を訴える声が上がった。
市が共通プラットホームを用意しても、市民や地元企業、教育機関などが活用しなければ無用の長物になってしまう。高松市では、市民や企業がファイウェアを活用しようとする環境を整備するため、新たな取り組みにも着手した。