常識知らずの若手、どう指導? 礼儀がなってない「モンスター新人」の取扱説明書 (2/6ページ)

 ▼企業でも若手に対する“暴行”がまかり通っている

 企業のなかでも、後輩へのパワハラまがいの指導はまだなくなっていない。ブラック企業に対する風当たりは年々強まっているにもかかわらず、懲りない面々が組織の中にはいるのだ。最近ではこんなひどい例が報じられている。

※写真はイメージです(Getty Images)

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 2013年、製薬会社「ゼリア新薬工業」の男性新入社員(当時22歳)が、研修会社による「意識行動変革研修」を受けたところ、精神疾患(統合失調症)を発症し過労自殺したとして、今年8月、男性の両親らが同社と講師などに約1億円の損害賠償の訴訟を起こした。研修では、講師から「吃音(きつおん)」と決めつけられ、いじめられた経験を同期入社42人の前で言わされたという。労働基準監督署は、労災認定基準の「ひどいいやがらせ、いじめに該当する」と判断し、男性の自殺は労災と認定している。

 すぐ離職する若手 原因は本人にあるのか組織にあるのか

 厚生労働省の「新規学卒者の離職状況(2014年3月卒業者)」(2017年9月)によると、2015年大卒就職者の3年以内の離職率は32.2%。高卒も40.8%、中卒67.7%となっている。

 大卒の内訳は入社1年目で12.3%、2年目で10.6%、3年目で9.4%と毎年10%前後が離職している。新人の離職率の増加は、採用・教育に費やしたコストの損失以上に経営のリスクに直結する。

就職したのに、なぜ早々に離職してしまうのか