■FP山口京子さんの結論●資産性は駅近マンション。こだわり一軒家なら吉
資産性だけで住宅を捉えた場合、分が悪いのは賃貸。家賃を払い続けても資産はゼロ。まして転居が多いと、入居の初期費用や引っ越し代などが都度発生し、収入によっては教育費や老後資金の貯蓄がままならないという状況も考えられます。
では、駅近のマンションと郊外の一戸建てはどうか。資産性で軍配が上がるのは前者。マンションは物件の流動性が高く、しかも駅近なら売る・貸すがしやすい。対して、郊外の一戸建ては30年後に残るのは土地代ぐらいでしょう。ただし、住宅にはその家が生み出す豊かな時間という、キャッシュフロー表には表れない価値もある。自分たちが望む暮らしを家族で話し合ってみるのが第一です。そのときに考慮したいのは、子どもの成長です。子どものためにと一戸建てを選ぶ家庭は多いのですが、うるさくするのは10歳ぐらいまで。一時のために長い通勤時間を退職まで我慢する意味があるのかどうか。もちろん、Cさんのように、ロハスな生活が叶ったなら万々歳。奥様の笑顔はまさにプライスレスですよね。
ファイナンシャルプランナー 山口京子(やまぐち・きょうこ)
名古屋市生まれ。フリーアナウンサーから上京を機にFPに転身。テレビ、ラジオ、雑誌などで活躍。著書に『5ステップで貯まらん人を脱出 FP山口京子式 家計簿いらずの貯まるお財布メソッド』『「そろそろお金のこと真剣に考えなきゃ」と思ったら読む本』など。(フリーライター 上島 寿子 向井 渉=撮影)(PRESIDENT Online)