【IT風土記】兵庫発 神戸ビーフに続け…灘の酒、世界ブランドに挑む (3/3ページ)

白鶴酒造資料館の案内ロボット「ハクちゃん」。商品を読み取ると多言語による案内をしてくれる
白鶴酒造資料館の案内ロボット「ハクちゃん」。商品を読み取ると多言語による案内をしてくれる【拡大】

  • 館内見学の際、スマートフォンでQRコードを読み込むと15か国語で解説してくれる(白鶴酒造資料館)
  • 菊正宗酒造記念館内になる外国人向け説明会場。取材当日も韓国からの観光客が多く詰めかけ多言語対応化された資料映像を熱心に見入っていた
  • 菊正宗酒造の嘉納逸人副社長
  • 灘五郷酒造組合の壱岐正志常務理事(右)と藤井篤事務局次長

 訪日外国人が酒蔵を訪れる光景は、白鶴酒造に限ったことではない。国指定重要有形民俗文化財「灘の酒造用具」を展示している菊正宗酒造記念館にも、年間2万5000人を超える外国人が訪れており、外国人比率が2割を超えている。菊正宗の嘉納逸人副社長は「爆買いが一段落し、モノからコトへの消費がキーワードになっており、酒づくりの見学はコト需要のひとつで、こうしたニーズに対応したい」と意欲を示す。

 日本酒をテーマにした観光振興や地域活性化の取り組みとしては、「酒蔵ツーリズム」と呼ばれるプロジェクトが全国各地で行われている。酒蔵解放や酒蔵体験、日本酒をテーマにしたイベント、スタンプラリーなどの仕組みづくり、外国人向けツアーのプロデュースなどさまざまな取り組みや他の観光資源との連携を目指すものだ。

 灘五郷では、酒造メーカーを中心にそれぞれが魅力的なイベントを実施し、インバウンド需要の取り込みを競っている。灘五郷酒造組合の藤井事務局次長は「単発の花火の打ち上げで終わるのではなく、灘五郷のブランドをどう浸透させていくかが課題だ」と話す。

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