IT風土記

北海道発 海のビッグデータ操る「マリンIT」 漁業での活用に期待 (3/4ページ)

 「函館国際水産・海洋都市構想」と名付けたプロジェクトは、産官学が連携し、マリンサイエンスの分野で世界をリードする研究成果や革新技術を生み出し、雇用の創出と産業の活性化に結び付けようという狙いだ。函館市は構想を具現化するために、学術試験研究機関や民間企業が一堂に入居できる研究室を備えた「函館市国際水産・海洋総合研究センター」を2014年にオープンさせた。

 海洋生物の研究に取り組む北海道大学の宮下和士教授は「水産・海洋関係の産業育成に取り組みながら、世界に通用する研究成果を発信するのが目的だ」と話す。具体的には、北海道の主力産業の一つである漁業と、ビジネスを有機的に結びつけることによって、漁業の活性化と海洋関係の産業のクラスター化の両立を目指している。

漁業の発展のために、ITができること

 この構想に基づく研究の中で、大きな成果を上げている取り組みがある。公立はこだて未来大学の「マリンIT」だ。IT漁業のパイオニア的存在になったマリンITを研究する和田雅昭教授は、北海道大学水産学部を卒業後、地元・函館市の東和電機製作所に入社し.プログラマーとして主にイカ釣りロボットの開発に携わった。「漁業の発展のために、自分ができることを考えた」というのが民間企業への就職の理由だ。

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