対策として、入場時に身分証明書でチケットの記名と照合する、顔認証技術で本人かどうかを確認する、チケットそのものは売らず当日の入場時に指定席券と引き替える、といったことが行われているとリポートでは紹介している。行けなくなった場合にチケットを正価でリセールに出せるサービスを行っているチケッティングサービスも出てきている。それでも、すべてのライブで同様の仕組みを導入するにはコスト負担が大きい。
リセール市場をオフィシャル側で用意せず、東京ドームのステージ前と最上階の最後列を同じ値段で売るような不公平感も、転売を生む温床になっている。中西氏も公演で「前の席と後ろの席が同じ値段でいいのか、ということを論じていない我々の問題でもある」と触れつつ「異常に高額な転売はやはり阻止しなくてはいけない」と訴えた。広告によってチケット転売問題への注目が集まった今、最善を目指して音楽業界も音楽ファンも含めて改革に取り組んでいく必要がありそうだ。