8月23日の新聞に出された「私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」という広告では、中西氏が会長を務めるコンサートプロモーターズ協会も、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンピュータ・チケッティング協会と連名で、116組のアーティストとともにチケットの高額転売を憂慮する声をあげていた。
「6000枚のチケットのうち、2000枚が転売されるようなコンサートもあった」と中西氏。「デジタルコンテンツ白書2016」のリポートでは、「本当にコンサートに行きたいファンがチケットを買えないこと、転売行為による利益は本来の受益者であるアーティスト側には全く還元されないこと」などが転売の問題として挙げられている。
チケットが完売しているなら、収益は確保できたのではと言われるかもしれないが、高額で転売チケットを買ったため、行きたかった別のライブを諦めざるを得ない事態が起こる。ライブ会場でグッズを買ってアーティストに還元することもできなくなる。転売者が得た利益がそうした方面に使われなければ、やはり本来の受益者に還元されていない状態と言えそうだ。