「悪性腫瘍って何ですか?」 がん宣告に涙…子供へどう伝える?仕事どうする? (1/4ページ)

バーベキューの帰り道に記念撮影する西口洋平さん(右)と長女の倖さん=平成27年夏、東京都江東区(西口さん提供)
バーベキューの帰り道に記念撮影する西口洋平さん(右)と長女の倖さん=平成27年夏、東京都江東区(西口さん提供)【拡大】

 ある日突然がんと宣告されたら、子供へどう伝えるか。仕事はどうするのか-。東京都内の会社員、西口洋平さん(36)は35歳で胆管がんと診断された。「同じように悩んでいる人たちをつなぎたい」。そう考え、子供を持つがん患者のSNS(会員制交流サイト)「キャンサーペアレンツ」を立ち上げた。西口さんらは思いを伝え合いながら、人生の在り方を問い続けている。

 切除できず

 「悪性腫瘍って何ですか?」。思わず聞き返した。医師から告げられた、なじみのない病名。「平たく言うと、がんです」。人材サービス会社の営業マンとして精力的に働いていた平成27年2月。約2カ月後には長女、倖(こう)さん(7)の小学校の入学式を控えていた。

 初めに異変を感じたのは26年の夏ごろだった。原因不明の下痢が続き、27年初頭に精密検査を受けたところ、胆管に異常があると現れる黄疸(おうだん)の症状に医師が気づいた。検査入院の結果、がんが分かった。

 最初に、母の君代さん(66)に電話で伝えた。「いろいろ検査して、結果がんって言われた」。涙があふれ、それ以上しゃべれなかった。君代さんも泣いているのが分かった。

「人前で泣くわけにはいかない」とトイレにこもった