一方、生命・化学といった理・農学系などは、必ずしも有利というわけではないようです。理学、農学を中心としたリケジョが、就職活動前や初期に志望する業界・職種で人気が高いのは、医薬品や化粧品、食品などのメーカーの研究・開発職です。しかしこういった求人は、採用枠が狭い上、高い専門性が求められるため、学生時代の研究テーマとのマッチングが難しいことも多いのです。このように、業界によっては専攻を生かした就職が厳しいこともあります。
企業側はというと、多くが研究・開発職のような理系職種に限らず、営業や企画職、IT技術職を含めた幅広い職種でのリケジョ採用を検討しています。そのため、就職活動中盤で、職種を見直すリケジョが実は多いのです。実際、7月1日時点で就職活動を継続している学生への調査で、「職種の見直しをする」と回答したリケジョは40%に上り、全学生の平均より12・4ポイント高いという結果でした。
筆者自身もいわゆるリケジョで第1志望は研究・開発職でしたが、途中で志望業界・職種を見直した経験があります。就職活動を終える同級生が増えていくなか、職種を見直して新たな企業を探すのは、大変つらいものでした。