師走が近づくと蒸し返されるのが、子供の写真を使った年賀状の賛否をめぐる論争だ。インターネット上では「ほほえましい」と歓迎する人がいる一方、「子供ができない人もいる」など配慮不足を批判する声もあり平行線をたどるばかり。スマートフォンと年賀状アプリの普及により、作成が楽になった写真入りは増えるとみられ、論争はさらに熱くなりそうだ。(寺田理恵、油原聡子)
「子供を知らない」
晩婚で1人目の子供を授かった東京都の40代会社員、田中恵子さん=仮名=は2人目の不妊で悩んでいたとき、きょうだい並んだ子供の写真入り年賀状を受け取り落ち込んだ。「不妊治療をして1人目を産んだ女友達に相談していたら、しばらく連絡が絶えた後、年賀状で彼女に2人目ができたと分かったんです。自分も子供の写真入りで送っていたので反省しました」
そうはいっても、今年も七五三のときに撮影した家族写真を使うつもりだ。
「独身のときは『君たちの子供には一切、興味ありません』とバカにしていたのに結婚、出産したら自分も作ってしまいました」