電子メールでのやり取りが増えているが、手書きによる手紙も見直されている。手書きならではの温かさや相手のことを思いながら掛ける一手間が好まれているようだ。一般社団法人「手紙文化振興協会」(東京都新宿区、(電)03・5579・8899)のむらかみかずこ理事長に手紙の書き方の基本を聞いた。(竹岡伸晃)
気持ちが伝わる
「メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などは便利だが、無機質なコミュニケーションになりがち。その反動で、『温かさが感じられる手書きで手紙を書きたい』と考える人が増えている」
『できる大人のひとこと手紙』(高橋書店)などの著書のあるむらかみさんは手書きの手紙が見直されている背景をこう解説する。同協会では新資格「手紙の書き方アドバイザー」で、「気持ちが伝わる手紙の書き方」を広める活動に力を入れている。
むらかみさんが提唱するのは「気負わず、気楽に、楽しみながら書く」。伝統的な手紙の形式は、拝啓などの頭語や時候の挨拶、相手を気遣う言葉などを書く「前文」、用件を書く「主文」、結びの挨拶や敬具などの結語などを書く「末文」、日付や自分の名前、相手の名前を書く「後付け」で構成される。ただ、「初心者には少し難しい」(むらかみさん)。