◇
■なんといっても有効なワクチン接種
インフルエンザで重篤な症状を起こさないために最も有効な方法が、流行前に行うワクチンの接種だ。インフルエンザワクチンは、病原性をなくしたインフルエンザウイルスの一部を使った医薬品であり、接種すると体がウイルスを異物として認識して抗体を作る。
毎年、厚生労働省健康局の依頼に応じて国立感染症研究所が国内の流行状況、世界各地の情報などに基づいて、次年度シーズンの流行予測を行う。鈴木教授は、そのシーズンの始めにベトナムやミャンマーなど東南アジアでの発生が多いことから、東南アジアが流行株を知るポイントになるのではないかと言う。
このように、いくつかのワクチン候補株を挙げ、その中から発育鶏卵での増殖効率、ワクチン製造株としての適格性を検討、次シーズンの流行予測を行うなどして選定される。2013~14年シーズンはWHO勧告を踏まえ、A/カリフォルニア(H1N1)、A/テキサス(H3N2)、B/マサチュセッツ(BX-51B)の3株がワクチン製造株として選定された。