【風(8)超氷河期の就活】“潜在能力”磨かれる好機なのだ (1/2ページ)

2010.12.17 15:31

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 このところ教育分野の取材をする機会に恵まれている。その中で、最近の学生は筆者(36)のころよりレベルが高いのではないか、と感じる点があった。授業のことである。

 私大文学部出身の筆者の場合、かいつまんで言うと、講義に出席し、授業を聴いていればなんとかなる-という状況だった。

 しかし、大学当局に話を聞いていると、最近はそんな単純なモノではないようで、学生が自ら課題を見つけ、グループで解決方法を模索し、結論を導き出すという、会社さながらの「プロジェクト型」授業をしているという。

 そうした授業を受けている学生に取材をしても、質問に対する理解力が高く、受け答えも理路整然としていた。就職に対する意欲や意識も高く「最近の学生は優秀だ」と感じ入った。

 当欄では就活生に厳しいご意見も寄せられているが、潜在的な能力は高いのではないだろうか。

 就職情報サイトの運営会社で勤務経験があるという28歳の方は、《学生の能力は、就活を通じて向上する傾向がある。潜在的な能力は持っているが情報不足や経験不足、または磨かれていない場合が大勢》とメールで指摘している。

 筆者もそんな学生だった。就活を通じて、職業観や人生観が固まっていった。スタート時点では意識の低い就活生だったかもしれないが、現在では、「最近の若いやつは」とこぼしていた諸先輩に勝てないまでも、会社の戦力として数えてもらえるようになったと勝手に思っている。