“懐かしさ”が新鮮! 秋のトレンドは「レトロ」「クラシック」で上品に
8月ももうすぐ終わり。まだまだ暑い日が続きますが、店頭では秋ものが充実してきました。この秋はどこかに遊び心が感じられる、ちょっぴり懐かしいデザインが新鮮。色や素材、デザインでトレンドを取り入れて、夏から秋へ、少しずつおしゃれをスイッチしてゆきましょう。
ボリューム感
秋のトレンドキーワードは「レトロ(懐古的)」や「クラシック」。春から続く傾向で、洋服は袖や裾にボリュームのある女性らしいデザインが目立ちます。
働く女性に人気のブランド「23区」の新作は、ポンチョ風のブラウスが今年らしいセットアップ(上下そろいの服)です。今の季節は素肌に着て、寒くなったらタートルネックのニットを下に重ねてもすてきです。ゆったりした袖で二の腕をカバーできるのもうれしいですね。
たっぷりとした袖のブラウスと、アコーディオンプリーツのロングスカートのシックなスタイルは、個性的かつ上品なデザインで人気のブランド「グレースコンチネンタル」のもの。アコーディオンプリーツはここ数年人気ですが、こちらは裾に向かって幅広になるプリーツが新しいです。
パンツは膝の部分は絞って裾に向かって少しだけ広がるセミフレアパンツが新鮮。昨年の秋は裾広がりのガウチョパンツが流行しましたが、このセミフレアパンツは“ポストガウチョ”と呼べそうな、流行先取りのお薦めパンツです。
少し短めの丈なので、サンダルなら足首をのぞかせて軽やかに。寒くなったらタイツを見せたり、ショートブーツを合わせたりしてもかっこよく決まります。秋らしいテラコッタ(赤褐色)は今年の流行色でもあります。
デザイン重視復活
小物も充実してきました。まず靴では秋冬の定番、ファー(毛皮)をあしらったパンプス。「お手入れが大変そう」と思われるかもしれませんが、ポリエステルなどの合成繊維を使ったファー風のものなら雨にぬれても大丈夫。発色のいいものも多いです。
また、ちょっとハードな印象のスタッズ(鋲)を使った靴や、複数の色を組み合わせたマルチカラーのパンプスもお薦めです。服ではちょっとためらってしまう奇抜なデザインでも、靴なら冒険できそうですね。
形は全体的につま先の細いアーモンドトゥで、ピンヒールのものが増えました。昨年までは全体的に着心地、履き心地重視の「エフォートレス(努力のいらない、頑張り過ぎないの意)」なものが多かったのですが、今年は少しずつデザイン重視の傾向が復活してきているようです。
秋冬に欠かせないストールは、動物モチーフがおしゃれ。「KAREN MABON(カレン・マボン)」は、英国の人気ブランド「マーガレット・ハウエル」のテキスタイル(生地)デザインを担当していた、スコットランドのデザイナーが手がけるブランドです。手描きのイラストから生まれるストールやスカーフは、どれもどこか温かく優しい雰囲気。ちょっと変わった形のニットの帽子とともに、コーディネートのポイントになってくれそう。寒くなるのが待ち遠しいアイテムです。(松屋銀座ファッションディレクター 関本美弥子)