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元号と西暦「面倒に意味あり」 思想家、内田樹氏に聞く (3/5ページ)

 「ある社会集団が時間をどう区切るかは、国境線をどう区切るかと本質的には同じことだと思います。社会集団ごとに自分たちの固有のやり方がある。その区切りは尊重しなければいけないと思います」

 「西暦が多数派だからそれを単一の世界標準にして、それ以外を廃用しろというのは暴論です。たしかに西暦を共有する方が便利ですけれど、西暦とさまざまな集団が固有の暦法を併用することは認めるべきだと思います」

 --西暦・元号どちらを使うかは、年齢や政治的な立場で違いがあります

 〈産経新聞社とFNNが1月に行った合同世論調査で「普段は元号と西暦のどちらを使いたいか」をたずねたところ、10・20代で元号が15%程度と元号離れが顕著だった。60代以上を除く全年齢層で西暦が元号を上回った。支持政党別では、自民、公明両党と日本維新の会の支持層で元号が西暦を上回り、立憲民主党と共産党の支持層は西暦が元号を上回った〉

 「社会集団と同じく、個人には個人のやり方で時間を区切る自由があります。権威が強制すべきものじゃない。西暦がいいという人は西暦を使えばいい。僕も昭和の間は元号表示でもいつのことかだいたいわかったけれど、平成からあとは元号で言われても、西暦に換算しないといつだかわからないです」

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