百貨店が女性向けアダルトグッズ販売の理由 SNSで変わる「愛の価値観」、予想以上の反響に (3/3ページ)

大丸百貨店に期間限定で登場した女性用アダルトグッズの特設コーナー=23日、大阪市北区の大丸梅田店(前川純一郎撮影)
大丸百貨店に期間限定で登場した女性用アダルトグッズの特設コーナー=23日、大阪市北区の大丸梅田店(前川純一郎撮影)【拡大】

  • 大丸百貨店に期間限定で登場した女性用アダルトグッズの特設コーナー=23日、大阪市北区の大丸梅田店(前川純一郎撮影)
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 「夫婦愛をうたっていきたい」SNSで変わる価値観

 「こうしたグッズも悪いものではないという風潮が高まっているのを、ここ2、3年強く感じています」。テンガの広報担当、工藤さんはこう話す。

 工藤さんによると、転機になったのは、12年から日本で放送が始まった米ヒットドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」。セックス・コラムニストの独身女性と女友達3人が恋や仕事に奮闘するストーリーは、日本人女性にも受け入れられた。「性に奔放な女性はかっこいいというロールモデルになりました」と工藤さんは分析する。

 また、SNSで自らの性について発信する若い女性が増え、「別に隠すことではない」という意識も広がりつつあるという。テンガが女性向けに「イロハ」を立ち上げたのは25年。女性スタッフが企画とデザインを担当し、安全性にもこだわったという。28年に発売された口紅型の商品は1296円という価格の手ごろ感もあり、1年で8万個以上が売れた。

 大丸梅田店の澤井さんは「お酒やフレグランス、ランジェリーなどムードを高めるグッズは以前から扱っている。こうしたサービスと組み合わせて、夫婦愛をうたっていければ」と話している。