予想以上の反響 背景に少子化や不妊
なぜ、百貨店に女性向けアダルトグッズなのか。発案者は大丸梅田店「うふふガールズ」フロア担当の男性社員2人。このうちの1人、澤井裕之さん(30)は「服だけを売るのが女性のための売り場なのか。新しい価値を提供できないかと考えたのが出発点でした」と説明する。
澤井さんは結婚後子供ができず、不妊治療に取り組んでいる。少子化が社会問題となる中、不妊に悩む夫婦は1割以上と推測されている。一般社団法人「日本家族計画協会」(東京)が平成28年に行った「男女の生活と意識に関する調査」によると、「1カ月間セックスをしなかった」とした既婚者の割合は47.2%で、10年前(34.6%)よりも12.6ポイント増加。「夫婦の愛を高めるグッズにニーズがあるのではないかと思いました」
同じ特設会場で行う期間限定ショップは通常、1カ月半ほどの準備期間を経て実施される。ただ、初めての試みだけに、社内でも賛否両論があったという。慎重に議論を重ね、約4カ月という異例の準備期間を経て、ショップのオープンに至った。
通常のショップは1週間で終了するが、テンガが企画した売り場のクオリティが高く「本気でやってくれていると実感しました」と澤井さん。8月22日から9月4日まで、異例の2週間の開催になったという。