【高論卓説】福田財務次官の辞任 美人を配属して情報収集 メディアと官庁の関係に“不都合な真実” (3/3ページ)

福田淳一氏=4月18日午後、東京・霞が関(春名中撮影)
福田淳一氏=4月18日午後、東京・霞が関(春名中撮影)【拡大】

 財務官僚の福田氏は、きっとメディアを大切にし、付き合いを深めて、親しい友人のように思っていたのであろう。推測だが、言った本人は内輪の友人向け会話と認識し、外形的には立派なセクハラになっている、というのが真相ではないか。セクハラに苦しむ女性記者が「こんなことを言われているので取材は勘弁して下さい」と録音を示して抵抗したのに、テレ朝が無視したので逆切れして新潮に流したという説もあるが、真相は分からない。

 ただ、メディアが官邸や重要省庁担当に積極的に美人を配属して情報収集に努めていることは私の見聞からは間違いなく、それが、当該女性の意に反していれば立派なパワハラだ。ただ、そうして抜いた貴重な情報がテレビ局などを支えている面も否めない。世の中、不都合な真実に満ちている。

【プロフィル】朝比奈一郎

 あさひな・いちろう 青山社中筆頭代表・CEO。東大法卒。ハーバード大学行政大学院修了。1997年通商産業省(現経済産業省)。プロジェクトK(新しい霞ヶ関を創る若手の会)代表として霞が関改革を提言。経産省退職後、2010年に青山社中を設立し、若手リーダーの育成や国・地域の政策作りに従事。ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授。45歳。