【高論卓説】福田財務次官の辞任 美人を配属して情報収集 メディアと官庁の関係に“不都合な真実” (2/3ページ)

福田淳一氏=4月18日午後、東京・霞が関(春名中撮影)
福田淳一氏=4月18日午後、東京・霞が関(春名中撮影)【拡大】

 幸か不幸か、霞が関在職中の約14年間、上司の多くは突破型であった。離職直前に担当したインフラ輸出政策の司令官は、総理秘書官として有名な今井氏であったが、典型的な突破型だ。なお、私は特に仕事や上司に不満があって辞めたわけではない。突破型に仕えるのは大変だが、同時にやりがいがあって面白かったことを付記しておく。

 国難の時代、年金や税制などさまざまな制度が制度疲労を起こし、抜本的な解決策を必要としている。本来、必要な官僚は言うまでもなく突破型だ。前例やルールをあがめて「だから無理です」ばかりでは済まない。「遅れず、休まず、仕事せず」では話にならない。

 しかし、都合が悪いことに、突破型は型にはまらないため、仕事面のみならず、部下の管理、女性関係その他、人倫的にもおきてを乗り越えてしまうことが多い。「ふざけるな!」と部下を怒鳴り、「朝まで付き合え」と異性を口説く。

 さて、話は変わるが、福田氏を敬う財務省上司を観察して経産省と財務省でこうも違うのかと驚いた点が1つある。メディアへの接し方だ。

 消費増税時に主税局の広報担当をして、メディア経由で丁寧に政策を国民に説明する重要性を熟知していた彼は、部屋中がバタバタでも、記者などから取材依頼が来ると最優先で丁寧に対応した。大切な友人として扱った。経産省では多忙な際、メディア対応は一番後回しだった。

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