神鋼、三菱マテ… 素材企業不正、現場のムリを常態化させた「ケイレツ」の重圧とは (3/3ページ)

記者会見に臨む神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長(右)=6日、東京都中央区
記者会見に臨む神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長(右)=6日、東京都中央区【拡大】

 経済産業省は今国会での改正を目指し、JIS法を見直す。認定を受けずにJISマークを使用した企業への罰金の上限を、100万円から1億円へ大幅に引き上げ罰則を強化する。ただ、いくら法改正しても企業の取り組みが不十分では意味がない。経産省の幹部は「企業ごとにベストプラクティス(最善の方法)があり、その情報を横断的に共有してほしい」と企業側の自浄作用に期待する。

 日本のモノづくりが信頼を回復するには、経営陣や現場が意識を改めて不正を誘引する構造的な歪みを解消し、同時にいかに品質制度で担保するかが欠かせない。一連の問題を、日本の商慣行や制度について改めて考え直す契機にする必要がありそうだ。(万福博之、大柳聡庸)

 ■素材メーカーで発覚した品質不正

 (神戸製鋼所/三菱マテリアル/東レ)

 ・対象製品

 アルミ製品、銅製品、鉄鋼製品など/シール材、銅製品、アルミ製品など/タイヤなどの補強材

 ・出荷先数

 605社/764社/13社

 ・公表時期

 2017年10月8日/11月23日/11月28日

 ・開始時期

 1970年代/1990年代後半/08年

 ・手段

 製品検査データの書き換えなど