市の統計では、65歳以上の高齢単身者数は2年に約1万1千人。それが27年は約5万8千人と、25年間で5倍以上に膨れあがった。今後もさらに増えていく見込みだ。
人口増がピークとなる42年は158・7万人中、65歳以上が37・5万人(約24%)になると予想している。その後も比率は高まり、72年には人口142・5万人中50・4万人(約35%)となる。3人に1人以上が65歳以上という「超高齢化社会」を迎えるのだ。
高齢化を見据えたまちづくりのため、市長は「地域包括ケアシステム」の推進を掲げ、医療や福祉、介護などの生活支援が一体で提供できるエリアの構築を目指している。
増え続ける歳出
市にのしかかる財政負担は軽くない。戦後、京浜工業地帯の中核として発展した川崎は、交通インフラや公共建築物、河川施設の老朽化が著しい。災害対策やインフラ再構築による財政圧迫が懸念されている。
市が11月に発表した収支見通しでは、収支均衡が予定より3年遅れ、減債基金からの借り入れも大幅に増えた。市長は財政健全化と人口増、その先に控える人口減と超高齢化を見越した難しいかじ取りが求められている。