中年世代のお笑いは本当に面白かったのか 保毛男田ネタはぶっちゃけ「ない」 「息苦しい世の中に…」はすじ違い (1/2ページ)

フジテレビ(浅野直哉)
フジテレビ(浅野直哉)【拡大】

常見陽平のビバ!中年

 そこの中年に問いかけたい。同世代として語りかける。

 「お前のギャグは、面白いのか」と。

 そもそも論を語らせてもらう。面倒臭い人の特徴を一つあげるとすると、自己評価と他人の評価がズレまくっている人である。会社員時代、いかにも体育会系というか軍隊系で頭まで筋肉で出来ているタイプの営業部長がいたのだが、彼から同僚が「お前は、俺と同じ頭脳派だな。ガハハ」と言われ、しょんぼりしていたことを思い出した。老害と言われてもしかたない言動だ。残念!!

 中でも面倒臭いのは、自分のギャグが面白くないこと、時代遅れであることに気づかない人たちだ。『北斗の拳』のアミバ様風に言うならば「親父ギャグは、いいぞぉ」というわけなのだが、主人公ケンシロウ風に言うならば「お前はもう、死んでいる」という話になるし、よく考えると、これらのフレーズ自体、30歳以下には通じないわけで、書いていて辛くなってしまう。

かつて中年たちが楽しんでいたギャグは、本当に面白かったのか

 自戒を込めて言うが、中年どもは昔のギャグを使いがちだ。そういえば、先日見た妻夫木聡・水原希子が出演している映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』でも、リリー・フランキー演じるライター倖田シュウが「俺、志村けんを再評価しているの」なんて話を始めた上で「大丈夫だぁ」を連呼していた。まだまだ暑い日々が続いていたが、一気に寒くなった。ツンデレどころか、ツンドラというレベルである。時代遅れだっちゅーの。

 たしかに、「大丈夫だぁ」も一世を風靡したネタではある。しかし、古すぎる。そして、志村けんが言うから面白いのであって、売れないライターや、ましてや営業マンに言われたところで、何の面白みもないのである。「聞いてないよぉ」と言いたくもなる。

フジ炎上の「保毛男田保毛男」は当時から不愉快だった