■建築基準法に禁止規定なし
自宅マンションがある日、違法建築となりかねない敷地の「二重使用」だが、国土交通省によると、建築基準法には二重使用を禁じる規定はない。
国交省建築指導課は、建築確認申請は「申請された敷地と建築内容が法に適合するかを見るもので、敷地の所有関係などは審査の対象外」と説明する。
マンション住民側代理人の須田唯雄弁護士は「同法が二重使用の禁止規定を置いていないのは、それが許されないのが当然のことだからだ。明文の禁止規定がないからといって、同法が二重使用を許容しているということはあり得ない」と指摘する。
ただ、「建築基準法施行規則は建物を新築しようとしている敷地が既に別の建物の敷地となっているかどうかに関する書類の提出を義務付けていない」とした上で、「仮に指定確認検査機関が敷地の二重使用を認識していたとしても、その敷地の実情を確認対象項目としなくてもよい、というあしき運用が定着してしまっている」としている。