「中国人や韓国人ばかりで外国みたい…」 大阪インバウンド争奪戦の明暗 (3/7ページ)

道頓堀川を航行するクルーズ船上で、「グリコの看板」などを夢中で撮影する韓国人客ら=8月18日午後7時すぎ、大阪市中央区
道頓堀川を航行するクルーズ船上で、「グリコの看板」などを夢中で撮影する韓国人客ら=8月18日午後7時すぎ、大阪市中央区【拡大】

  • 夜の道頓堀川を進むクルーズ船。大半の便が外国人観光客で満席となっている=8月18日午後7時半、大阪市中央区
  • 外国人客を呼び込もうと韓国語や中国語などで店のシステムを紹介している「ジャンボカラオケ広場心斎橋店」=8月15日、大阪市中央区
  • インバウンドを取り込もうと、住之江競艇場は中国語などで競艇のルールを説明したパンフレットを作成した=大阪市住之江区
  • 韓国人観光客らに人気の「とんぼりリバークルーズ」。乗客は自撮り棒を使うなどして記念撮影を楽しんでいた=8月18日午後7時すぎ、大阪市中央区

 大阪市内で電車やバスが乗り放題になるため外国人客に好評で、パスを提示すれば同クルーズや大阪城天守閣、通天閣などの利用や入場が無料となる。

 観光局によると、パスは13年、同市此花区のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の開業に合わせて発行を開始。USJ以外の観光施設にも足を運んでもらうことを狙い、当初はパスポートを見せて購入する外国人専用のチケットだった。

 26年から日本人も買えるようになったものの、購入者の85%が外国人といい、国別では韓国に続いて台湾、中国が多い。海外で大阪を紹介するCMを放送したり、旅行業者への売り込みを強化したりした結果、年間の販売枚数は24年度が約20万枚だったが、昨年度は約91万枚まで増えた。

 担当者は「アベノミクスの入国ビザの要件緩和も追い風となり、販売数は毎年倍々ゲームで増えている。かなりの特典が付いたチケットなので、“お得な情報”に敏感な韓国人客らが、インターネット上で存在を広めてくれた口コミ効果も大きい」と分析する。

「より日本らしい観光を楽しみたい」と意外な場所が人気を集めている