東京電力福島第1原発事故で発生した指定廃棄物について、環境省は4日、水戸市内で茨城県内14市町との首長会議を開き、茨城での「分散保管」を容認する方針を伝えた。事故から5年近くが経過したこともあり、茨城を含むその他の県も対象に、放射性物質の濃度が基準を下回った廃棄物の「指定解除」のルールも初めて示した。
環境省はこれまで、福島県のほか、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県で処分場を1カ所ずつ建設する方針を示していた。しかし茨城は比較的放射性物質の濃度が低いことなどから、県や保管する14市町が分散保管継続を要望していた。
指定解除の手順では、放射性物質の濃度が8千ベクレルを下回ったことを確認した上で、環境省が一時保管者と協議して解除する。解除後は通常の廃棄物として処分できるが、費用は国が負担する。
このほか、一時保管場所の安全性に関する住民説明会の開催や、処分場建設を前提に地域振興と風評被害対策に使う基金を、分散保管継続の場合にも活用できるよう検討する。
指定廃棄物をめぐっては、福島県が昨年12月、富岡町の処分場を国有化して処分する計画について受け入れを初めて表明している。