くい打ちデータ偽装問題は1日、新たに北海道で2件の不正が判明し、拡大に歯止めがかからない状況だ。こうした中、問題の背景として業界特有の事情を指摘する声が出ている。信用調査会社が行ったくい打ち業者に関する調査では、全国454社のうち従業員10人未満が過半数の249社に上った。小規模な下請け業者がせめぎ合っていることから、元請け業者の意向に逆らいにくく、工期厳守やコストカットのために無理をしがちな業界の構図が透けてみえる。
東京商工リサーチの調査によると、くい打ちを主な事業とする業者454社のうち、従業員数が5人以上10人未満は106社(23・3%)、5人未満は143社(31・5%)。資本金別でも、個人業者を含む1千万円未満が41・9%の190社を占めた。